「こいずみ…っ。」
今、オレの耳は何を聞いてる?
ここは放課後の特別棟の一室だ。
キョンにちょっと用事があって、涼宮の作ったおかしな集まりのアジトに足を運んだ。
途中で涼宮にあってキョンのことを聞いたら、
部室の後片付けをしてから帰るように言ったから
まだ部室にいるだろうということだ。
どんだけ横暴なんだあいつわ。
キョンもよくあいつに付き合うよな。
確かに性格以外は一級品だけどよ。
そう思いながらキョンに会いに部室に行った。
ほどなくSOS団の部室にたどりつく。
女子もいないようだし野郎相手にノックの必要を感じなかった俺は、
ドアノブに手をかけた。
その瞬間、冒頭の声が聞こえてきたわけだ。
今のは確かに親友の声。
たしか「こいずみ」って…。
その名前は俺にとってはムカツクイケメン男子以外の何物でもない。
で。
なんでキョンがこんな切羽詰まった声で古泉の名前を?
「…ほら、もう限界ですか?」
「ぁん…っ。」
ご丁寧に水音まで聞こえてきた。
マッサージしてましたっつーベタなオチはこれで消えたな。
あーはははははははは。
まじかよ…。
キョンが…古泉と…?
しかもどうやらキョンはし…下…らしい。
うわあああぁあああ?!
なんか鮮明に想像できてきたんですが?!!
やめろ俺!!
と思いつつもふだんから可愛い女子をネタに鍛えられてきた妄想力の鮮明なこと。
いやああああ。
そして俺はその場を走りだした。
その翌日。
体調の悪そうなキョンと、すこぶる血色のよい古泉が一緒に登校してきたのを目撃した。
声をかける勇気は少なかったため遠巻きに見ていると。
古泉の笑ったままの冷やかな目線が俺を刺し貫いた。
…これからどうしよっか。俺。
でもキョンは俺の親友だ。
それだけは変わらんからな?!
END
まったりとやってみましたありがちネタ「谷口は見た。」
ホントは谷口片思いにするつもりだったのですが、無理でした。
いまんとこ谷口君は聖域なようです。
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